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【フリアコ体験記】最果ての地にてザックひとつで越冬生活【北海道斜里町】
2021/03/01
2024/08/22
北海道最果ての地での越冬生活、約3ヶ月間の記録です。今回はザックひとつで、北海道斜里町での生活です。
2年間で関東を中心にこれらのライフスタイルを試した経験を経て、次の検証地として「北海道」を選びました。
これまでこんな暮らし方を経験してきました
- 都内会社員ひとり暮らし
- チームで働き暮らす 茅ヶ崎フリーランスシェアハウス暮らし
- 自然に寄り添い地域とつながる 鎌倉古民家シェアハウス暮らし
“ノマドワーク”で仕事をしながら旅をした夏
北海道で越冬することになるきっかけは、夏に2週間のソロツーリングで北海道を訪れたことでした。この旅の目的は「仕事をしながら旅をすること」でした。
その結果見えてきた課題として
“フリーアコモデーション”で働きながら暮らす冬
次は数ヶ月単位で、拠点に腰を据えてその土地で暮らすスタイルを試してみたい。そこで、夏の旅でお世話になったライダーハウスの関連で斜里町にあるこの温泉宿に、アルバイトを兼ねて冬季滞在することになりました。
フリーアコモデーション(フリアコ)とは
こういった「宿泊者が宿泊施設の仕事を行う代わりに、家賃・光熱費無料で滞在できる仕組み」のことを“フリーアコモデーション(フリアコ)”と言います。
このような生活費を抑えながら、地域に根付いた暮らしができるという仕組みは、先ほどあげた、①仕事と旅の両立 ②安価かつネット環境のある宿の確保 という2つの課題を解決してくれます。
また、最盛期シーズンを終え時間にある程度余裕のある冬季であればフリーで受け持つWeb制作案件との両立も可能です。
今回お世話になったのは斜里温泉湯元館(クリオネキャンプ場)です。
北海道最果ての地 斜里町について
この冬滞在するのは北海道斜里郡斜里町。斜里町は道東の知床半島北側、オホーツク海に面する人口1.19万の町です。世界自然遺産に登録された知床をはじめとした観光業と、サケ・マス漁獲高が全国一を誇る漁業、小麦、甜菜、馬鈴薯を軸とした畑作農業が盛んです。1月下旬頃の知床・ウトロでは流氷が着岸するエリアとしても有名です。
フリアコ体験記
フリアコ滞在中のとある1日をご紹介します。
06:30 a.m. 起床・開店準備
営業開始に合わせて起床。自室はスタッフ棟の8畳ひとり部屋。
斜里岳を背景に温泉の蒸気が白く立ち登る朝の風景。
この日の気温は-5度。
07:00 a.m. 薪補充・薪ストーブ点火
薪置き場からカゴ3杯分、1日の薪を運び込む。
薪ストーブが日常にある暮らし。
07:30 a.m. 朝食
朝食は個々でとります。私は卵かけごはん。
08:00 a.m. Web制作
朝の静かな時間で作業。頭がすっきりしているこの時間帯が一番作業が捗る。
09:00 a.m. 掃除
宿泊業スタッフの経験はなくとも、食事・入浴・睡眠 どれも日常生活の延長にあるもの。
自分ではなく誰かのために、いつもより丁寧に整えるだけ。
11:00 a.m. 広報業務
事務所で留守番中にSNSの運用とWebサイトの更新作業。
越冬生活の様子をクリオネキャンプ場インスタアカウントで発信しました。
12:00 p.m. 昼食
外仕事をしていたスタッフも食堂に集まって昼食。
01:00 p.m. 木工仕事
この日の午後は簡単な木工仕事の手伝い。
角材運びから始まり、インパクト、丸ノコを手にしての床作り、チェーンソーで薪作りも経験させてもらいました。越冬生活を通してDIYという思わぬスキルを得ることができました。
03:00 p.m. Web制作
夕食までの空いた時間でWeb制作。
05:00 p.m. 夕食準備
共同生活をする越冬メンバーは6人。それぞれが得意な分野を担当します。
私は以前鎌倉シェアハウスで、元食堂のおかあさんから、大人数のお料理ノウハウを仕込んでいただいた経験から、スタッフの食事作りを担当しました。
鎌倉での経験が、次の土地で生かされました。
今回の木工DIYの経験も次の土地で生かされるのか。。
06:00 p.m. 夕食
この日は鶏ごぼう飯。
07:00 p.m. 娯楽時間
越冬メンバーは同世代の6人で、夜には楽器を持ち出したり、ゲームをしたり、薪ストーブを囲んだりと思い思いに過ごしています。
09:30 p.m. 入浴
温泉宿でのフリアコの醍醐味、毎日温泉。
10:00 p.m. ブログ執筆
眠る前に自室でブログ執筆。
12:00 a.m. 就寝
私がお世話になったクリオネキャンプ場のアルバイト・ボランティアはこちらから応募できます。
北海道の大自然
冬の北海道で一生忘れないだろうと思う景色をたくさん見ました。
夏よりも冬の景色は印象的に思います。冬の北海道は厳しい。圧倒されるような自然が気温の低下と共に一気に押し寄せてくる。そんな環境で生きる動物たちにもたくさん出会いました。
知床に押し寄せる流氷を見た後、北海道を発ちました。
潜入取材を通してのWeb制作
フリアコで体を動かしつつ、休みの日はクリオネキャンプ場のロゴとサイト制作、斜里温泉湯元館のロゴ制作も任せていただきました。
今回のケースは旅人としてキャンプ場のファンになり、運営サポートメンバーとして潜入取材をして理解を深めた上でWeb制作する。という私が思う『Web制作の理想の形』を実現することができました。
まとめ
今回の越冬生活を通して、冬の北海道でしか経験でいない特別な経験をしたように思います。
さらに今後の「暮らし方」「働き方」のヒントとなる経験もできました。
日本各地から集まった越冬メンバーの4人がこの後も斜里町に暮らすことを決めました。
面白いことをやろうという人がいる場所には、それが“最果ての地”であっても自然と人は集まるということ。